椛島家住宅は、主屋・蔵・庫院・社・祠と門塀をあわせた九棟が、平成29年(2017)5月2日に国の登録有形文化財となりました。明治後期を中心に整えられた建物群が、屋敷全体の歴史的な景観を今に伝えています。

| 文化財の種別 | 国登録有形文化財(建造物) |
|---|---|
| 登録年月日 | 平成29年(2017)5月2日 |
| 登録の構成 | 8件・9棟 |
| 主な年代 | 明治30年頃から大正8年 |
| 登録基準 | 国土の歴史的景観に寄与しているもの |
登録は八件で、東門と北門が一件として扱われるため、建造物の数は九棟となります。建物と土地の来歴については、由緒のページで紹介しています。
登録番号 40-0140
椛島家住宅主屋
| 年代 | 明治30年頃(1897年頃)/平成20年頃改修 |
|---|---|
| 構造 | 木造平屋一部2階建、瓦葺、建築面積264㎡ |
敷地中央に南面して建つ主屋です。正面に出格子と大小の八角形の格子窓を配し、独特の外観をつくっています。東寄りを土間とし、床上部は食違いの五室、その西側に奥座敷や仏間を収めた角屋を二列張り出します。質の高い造作とともに、この地方の近代大型住宅の特徴をよく示しています。

登録番号 40-0141
椛島家住宅庫院
| 年代 | 明治後期(1898–1912)/平成27年改修 |
|---|---|
| 構造 | 木造平屋建、瓦葺、建築面積68㎡ |
敷地南西隅に南北棟で建ちます。入母屋造桟瓦葺で、西面と北面に下屋をめぐらし、西面は吹放ちとしています。漆喰塗の外壁と竪板張の腰、広い庇など、旧家の納屋としての構造と意匠をよく保ち、屋敷の景観を形づくっています。
登録番号 40-0142
椛島家住宅蔵
| 年代 | 大正8年(1919) |
|---|---|
| 構造 | 土蔵造2階建、瓦葺、建築面積23㎡、渡り廊下付 |
主屋北西の仏間から渡り廊下を介して建つ、南北棟の土蔵です。花崗岩積の基礎上に建ち、外壁の腰は人造石洗出し仕上、隅部はドイツ壁の技法で石積みのように見せ、上部に漆喰の鉢巻をめぐらします。もとは納戸蔵と伝わる、良質な土蔵です。
登録番号 40-0143
椛島家住宅社
| 年代 | 明治後期(1898–1912) |
|---|---|
| 構造 | 木造平屋建、瓦葺、建築面積5.5㎡ |
主屋北東方に南北棟で建ちます。切妻造桟瓦葺の妻入で、内部を前後に分け、奥を内陣、手前を外陣とします。外陣は格子戸と窓で開放的につくり、内陣は竪板壁としています。妻面には三斗、妻虹梁、蟇股を用い、屋敷の景観を形づくっています。
登録番号 40-0144
椛島家住宅祠
| 年代 | 明治後期(1898–1912) |
|---|---|
| 構造 | 木造平屋建、鉄板葺、建築面積0.42㎡ |
社の北東方、煉瓦積の基壇上に建つ小祠です。切妻造鉄板葺の妻入で、井桁に組んだ土台に柱を立て、南面に格子戸を設け、ほかの面は竪板張とします。内部には縦長の玉石を祀り、社とともに屋敷の鬼門を守っています。
登録番号 40-0145
椛島家住宅南門及び塀
| 年代 | 明治後期(1898–1912) |
|---|---|
| 構造 | 南門:木造、瓦葺、間口2.9m/塀:木造、瓦葺、総延長23m |
主屋の大戸口正面に構える南門と、東西に延びる塀です。南門は切妻造桟瓦葺の薬医門で、冠木上に三筋の梁を架け、軒桁と棟木を舟肘木で受け、棟通りの中央に蟇股を飾ります。腰板張で欄間を透かす塀とともに、格式ある表構えをつくっています。
登録番号 40-0146
椛島家住宅東門・北門及び塀
| 年代 | 明治後期(1898–1912) |
|---|---|
| 構造 | 東門:木造、瓦葺、間口1.8m/北門:木造、瓦葺、間口2.0m/塀:木造、瓦葺、総延長32m |
庫院の北東隅から北へ延び、敷地東辺を画す塀と、その途中に開く東門、北端の北門です。両門は切妻造桟瓦葺の腕木門で、板戸を内開きとします。塀は内外を漆喰塗とし、前庭に面する南寄りには潜りと格子を設け、北寄りの外側には簓子下見板を張ります。庫院と調和する意匠です。
登録番号 40-0147
椛島家住宅庭門及び塀
| 年代 | 明治後期(1898–1912) |
|---|---|
| 構造 | 庭門:木造、瓦葺、間口1.3m/塀:木造、瓦葺、総延長9.8m |
主屋正面から奥座敷前の主庭を囲むようにめぐり、主庭と表庭を分ける門と塀です。門は切妻造桟瓦葺の腕木門で、欄間周囲を塗り込めて主屋と意匠をそろえています。塀は外側を竪板張とし、欄間を透かします。簡明で繊細な意匠が、庭に落ち着いた風情をもたらしています。
年代・構造・登録番号および解説は、文化庁「国指定文化財等データベース」をもとに構成しています。